デカダンダンダンス ◆◆◆◆◆ 一億光年の彼方から
しかしこの世の中には、呆れ返るほどいろんな人がいるものですね。こんな人……あんな人……そんな人……。世の中を知れば知るほどその多さには驚かされてしまいますが、それよりももっと驚かされるのが、そのいろんな人たちの多くが同じような趣味、趣向、考えや行動パターンを持って、マジョリティーを形成しているということです。これを M星雲 と言います。なんとも不条理な、なんともおぞましい巨大な星雲です。 またごく希に、そんな世の中のメジャーな星雲には属さない特殊な人もいます。その特殊な人の多くは『すごい』人、『すてきな』人、『大したもんだ』の人としてもてはやされ、『普通』の人たちよりワンランク上のステイタスを与えられています。これを 彗星 とでも言っておきましょう。 でも、さらに、もっとごく希に、その価値観を世の中の星雲が持つ常識圏の外に置き、誰からの評価も受け付けず、ひたすら自分の道を歩んでいる人もいます。M星雲 から一億光年の彼方にある、小さな 星屑 です。 そういう人は、決して他人の評価を得ることが目的ではないようです。唯一だれかに向けているとすれば、きっと自分自身にでしょう。世の中の大群からは『無意味な実践』としてしか映らないその行為は、そんな感性や価値観を持った自分の未知の領域をもっと深く知るための課程そのもののようです。得てしてそんな人は、羨ましさや悔しさを覚えた大群からは忌み嫌われてしまいがちです。 これがその人にとっては大きなお世話で ほっといてくれ といつも思っているのではないでしょうか。 なんだかんだと意味不明の御託を並べる M星雲 のいろんな人たちですが、彗星 にあこがれ、その後を追いかける一方で、今日も天体望遠鏡を使って一億光年も彼方の小さな 星屑 を覗いているようです。 |
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