デカダンダンダンス ◆◆◆◆ ええ感覚でんねん
少しでも世の中の最新情報をと、朝の貴重なひとときをテレビに費やしています。私の朝の時間は、どのチャンネルもワイドショーばかりで、これがなんとも面白いのです。特に最近のヒットは女優MSさんの離婚でした。と言ってもそれ自体が面白いのではなく、評論家のコメントや、町の人たちの声を聞くコーナーです。芸能人たちを友人や家族のことのように『よく知っている』人たちが、その話題について感想を述べるあれです。 そういえば、何かについて知ろうとするとき、 分析と直観 というふたつの方法があるそうです。分析とはそれを外側から知ることで、直観は内側からそれと一体になって知ることです。MSが浮気をしたとか、離婚したというのは分析です。このような認識は無数に増やしていくことはできますが、それでMSの実在を知ったことにはなりません。『浮気妻はMSだ』という命題が成り立つわけではないし、あなたの奥さんだって浮気をしているかもしれないのですから。分析した知識は相対的で、MSの絶対的な存在観をとらえるものではないのです。 ある直観論者によれば、「意識を分析すると気が狂ってしまうように、分析には、意識がそうであるような、『持続』をとらえられないという限定性がある。そのもの自体の独自性を知り、確信を得るためには、対象と連続して、持続の波をサーフィンする直観が必要である。言い換えれば、直観は絶対的なものとの連続によるエロチックな認識だと言える」。早い話が、MSについて直観したければ、彼女とセックスをすればいいということですね。 『分析するよく知っている人たち』対『直観した前夫と間男』。面白いですね。MSさんに感謝します。 それにしても他人のことをよくもあれだけ語れるものだと、本当に感心してしまいます。おかげで、それを見て面白がっている自分に、いまではある種の ダンディズム さえ感じるようになりました。 |
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