変わりつつある島、田代島 ◆◆◆◆◆◆ 生きた自然に驚かされる
三石から島の西側へとまわります。この辺りは海を見下ろす峠道で、吹き上げる風に木々の枝は葉も少なく、山側に向かって伸びています。少し濃いめに漂ったモヤと相まって夢幻の世界を呈しています。水と木と薄い光と風、まるで山水画のようです。 大謀網漁の番屋跡を過ぎて海が見えなくなると、また次第に山の中へと入ります。灯台へつづくと思われる横道に入ってみました。ここは今までにもましてさらに深い林道です。そぼ降る雨の中、どんどん奥へと何かに導かれるように歩きました。足元は少しずつぬ かり始め、軽装の私には少々つらく感じます。灯台のある二鬼城(にげしろ)は、前九年後三年の役で源頼義に敗れた安部貞任の残党が逃げのびて隠れ住んだと言われているところです。しばらくして立て看板を見つけました。見上げるとそこにはどっしりと灯台が立っていました。 雨がその量を増してきたので、帰り道を急ぎます。両わきの林には木々の葉にあたる雨の音がありました。雨の音がこんなに気持ちのいいものだとは思いませんでした。 |
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