デカダンダンダンス ◆

デカダンダンダンス

 

世紀末終了

ノストラダムスの大予言などすっかり忘れて、何だかんだと騒いでいる間に月日はのびのびと流れてしまいました。退廃的だとか、享楽的だとか、さんざん御託をならべて、19世紀末に勝てるとでも思っていたのでしょうか。そのままのーんびりと新世紀を迎えることくらい、きっとわかっていたはずです。

冬はさむいけれど、必ず繰り返しやって来るもの。そう思えば、少々さむくたって我慢できます。人間がこの地球に現れてからきょうまで、男と女の関係はぜんぜん変っていないのだから何も心配することはないのです。今までどおりネコのように暮らしていればきっと幸せになれますよ。

あしたもきっと、いつか夢みたぼんやりの楽園で、川遊びの子どもたちが叩くパシャパシャというリズムに合わせてダルなラップを口ずさみながら、あぜ道の向こう側で立ち小便しているおばあちゃんを、きっと眺めているはず。

「コギャルだあって、オヤジだあって、天皇だあって、みんなみんな生きているんだ、友だちなんだあ…」って、みんなで歌えばきっと幸せになれることを、みんな知っているだろうし、いちいち学校で道徳を教わらなくても、自分で体験したことくらい身にしみて覚えていますよ。『同じ失敗は何度繰り返しても良い』という法律があっても良さそうなものですよね。
単三乾電池に美しさを見出した足穂さん
家出をすすめた寺山さん
サドをこよなく愛した澁澤さん

あなた方にこの世紀末を知られなくて、私はとても幸せです。 ただひとつ、コンピュータの進化の速さだけは自慢できますよ。だってコンピュータ同士がセックスをするのももうすぐだから。それも人間みたいにいろんな
体位や器具
を使ってね。


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